2007年に「東京マラソン」がスタートして以来、年々規模が大きくなっていく同大会を参考に、「うちでも市民参加型のマラソン大会を」という自治体がここにきて一気に増えてきた。
大阪、神戸、京都の3都市は、それぞれ新たに市民マラソン大会をスタート。10月に大阪、11月に神戸、2012年3月に京都でそれぞれ新たな大会が生まれる。
そんななか、名古屋でも新しいマラソン大会が産声をあげる。「マラソンフェフェスティバル ナゴヤ・愛知2012」。これは、「名古屋ウィメンズマラソン」と「名古屋シティマラソン」の2つの大会を同時に開催するというものだ。特に「名古屋ウィメンズマラソン」は、世界初となる女性だけによる15,000人規模の大会である。エリートランナーのみの大会だった「名古屋国際女子マラソン」を継承し、これに一般ランナーも合わせたかたちで生まれ変わった。「この2つのレースが合体することで、日本最大級の大会となります。特に『ウィメンズマラソン』についてはロンドン五輪の代表選考会も兼ねており、注目を集めることでしょう。また、大会全体を通じて社会貢献を行ないたいとも考えています」(日本陸上競技連盟・風間明事務局長)
女性のみの大会というと、例えば3月に行なわれた「渋谷表参道Women’s Run」は4,000人が参加してが大きな成功をおさめたが、「名古屋ウィメンズマラソン」はフルマラソンであり、参加人数も非常に多いため、さらに話題を呼ぶことになりそうだ。 また、開催が3月11日(日)であり、東日本大震災からちょうど1年ということも注目を集めている。制限時間が「7時間1分」となっているが、この1分は、震災が起きた14:46になったらランナー、観客、関係者全員で1分間の黙とうをすることになっている。そのため制限時間が7時間「1分」となっているのだ。
その他、(財)日本陸上競技連盟が行なっている「RUN FOR JAPAN」の趣旨にそい、スタートセレモニー時に被災地へのメッセージを発信するほか、募金活動も行なう。 女性のみの大会ならではの社会貢献活動も行なう。東京マラソンでも行なわれているチャリティランナー制度を設け、集まった寄付金を様々な団体に寄付するが、その寄付先が乳がん撲滅運動、発展途上国の妊産婦の命や健康を守る運動、同じく発展途上国の女性の権利保護を支援する団体に寄付される予定となっている。
また、参加ランナーへの特典として、完走者全員にティファニーのペンダントが贈られる。この辺も女性ならではの大会といったところだ。
男女ともに参加資格のあるハーフマラソンやファミリーマラソンもあるが、注目はやはり「名古屋ウィメンズマラソン」。大会直前の3月9日(金)からは協賛企業などによるPRブースが並ぶ「マラソンEXPO」が開催される。そのなかでは当然ながら女性向けのマラソンマーケティングが活発に行なわれるはず。すでにメインスポンサーには日本メナード化粧品(株)がついた。女性のみでこれだけ大きな大会というのは前例がないだけに、増え続ける女性ランナーや、女性ランナー向けのマーケティングを考える企業にとっての受け皿としても注目を集めそうだ。
(2011年7月20日(水) 鈴木隆文)
開催概要
イベント名称 | マラソンフェスティバル ナゴヤ・愛知2012 |
日程 | マラソンEXPO(ナゴヤドーム) 2012年3月9日(金)~3月11日(日) |
名古屋ウィメンズラン2012 3月11日(日) | |
名古屋シティマラソン2012 3月10日(土)~3月11日(日) | |
主催 | マラソンフェスティバル ナゴヤ・愛知実行委員会(日本陸上競技連盟/愛知県/名古屋市/愛知県教育委員会/名古屋市教育委員会/(財)名古屋市教育スポーツ協会/中日新聞社) |
参加者数 | 36,000人(2大会の定員合計) |