来年5月22日の東京スカイツリー開業を前に、東京都江戸東京博物館では東京スカイツリー完成記念特別展として、「ザ・タワー ~都市と塔のものがたり~」を開催する。その記者発表会が11月29日(火)に同博物館で開かれ、概要が発表された。
江戸東京博物館の竹内誠館長は、「新たに押上に東京スカイツリーという国内外の新名所ができることで、押上・浅草・秋葉原・両国というゾーンができる。来年以降はその中央に流れる隅田川に多くの船が行きかうのでは。決してひとつの地点から捉えた展覧会ではなく、隅田川を挟んで新たなゾーンが形成される中での展覧会だとご理解いただきたい」とあいさつした。
会期は来年2月21日(火)から5月6日(日)まで。「眺める」「見上げる」「登る」「見晴らす」「思い出に残す」をキーワードに様々な時代の都市に建てられた塔の資料約380件を展示し、都市と人と塔の物語を紹介。塔の起源であるバベルの塔と仏塔に関する展示をプロローグとし、 新しく誕生する東京スカイツリーをテーマに塔と都市と未来について考えるエピローグにつなげていく。
企画担当の学芸員は「スカイツリーは新しい塔だが、江戸文化との融合が非常に意識されたタワー。江戸紫など日本古来の色を使い、反りやむくりがデザインのテーマ。また、鍬形蕙斎が画いた「江戸名所之絵」と同じ眺めを展望台から楽しむことができる。色、形、場における江戸とのつながりをキーワードにスカイツリーの魅力を紹介し、スカイツリーがどんな物語を作っていくのかを考える機会になれば」と話した。
さらに、関連企画として、常設展示室内に岡本太郎制作の「太陽の塔 黄金の顔」を展示することも発表された。現在、大阪の万博公園にある「黄金の顔」はレプリカだが、展示するのは日本万国博覧会で展示されたオリジナル。東京初公開とあって話題を呼びそうだ。
江戸東京博物館の新しい試みとして注目されるのが、ザ・タワー展のPRキャラバン隊として結成された「えどはくタワーズ」。会期中は週末を中心に同館のあちこちでパフォーマンスを披露し、ザ・タワー展を盛り上げる。これまで、日本科学未来館のPRイベントや「すみだまつり」、高円寺フェスなどに参加した。今後は江戸東京博物館のお正月イベント(1月7日~9日)や、ザ・タワー展オープニングイベント(2月21日)にも登場する。PRイベントや会期中には、オリジナル缶バッジなどのノベルティグッズも配布する予定。
記者会見場にオリジナルソングとともに登場した「えどはくタワーズ」は、凌雲閣さん、通天閣くん、エッフェル塔さん、東京タワーくんの4人。名前と同じ塔をモチーフにしたキッチュな「タワーかぶりもの」を頭に乗せ、記者らに名刺を配ってPR。続いて「高いぞタワー」の曲に合わせてコミカルな動きでパフォーマンスを披露した。パフォーマンス動画はザ・タワー展公式サイト(http://tower-ten.jp)などで近日公開される。今後、メンバーにはもう1塔(?)が加わる予定で、ユニークなキャラクターは子どもたちからも人気を集めそうだ。
(2011年11月29日(火)安江めぐみ)
一般問い合わせ
江戸東京博物館 TEL:03-3626-9974㈹
特別展公式ホームページ http://tower-ten.jp