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世界初 映画館のスクリーンに流れるリアルタイムな視聴者コメント! ニコニコ映画上映会と映画館による奇跡のコラボレーション

映画「イヴの時間 劇場版」 ニコニコ映画【特別】上映会

世界初 映画館のスクリーンに流れるリアルタイムな視聴者コメント! ニコニコ映画上映会と映画館による奇跡のコラボレーション

映画上映中、館内では観客がパソコンやスマホからコメントを入力するという新しい風景が展開された

次々に新企画を生み出している株式会社ニワンゴの快進撃が続いている。今回の企画は、ネット界と映画館との融合。映画館で上映される作品に、リアルタイムで、館内および、インターネット生放送視聴者たちのコメントがつけられるというものだ。インターネットで動画を観ながら、コメントをつけられるニコニコ動画のシステムが、遂に映画館にも登場した。

会場は、アーバンドックららぽーと豊洲本館にある、ユナイテッド・シネマ豊洲 スクリーン1。作品は、2011年iTune映画ダウンロードランキング3位、邦画では1位だった「イヴの時間 劇場版」である。

2012年2月25日(土) 20時より来場者受付が開始され、20時30分から登壇者によるトークショーが展開された。登壇者は以下のとおり(敬称略)。

■吉浦康裕(「イヴの時間 劇場版」監督)
■水市恵(小説版「イヴの時間」著者)
■MC 氷川竜介(フリーライター)
■佐藤利奈(声優 ナギ役)

MCを務めたアニメ研究家の氷川氏は、中国4大都市で「イヴの時間」をテーマに講演を行なったことに触れ、「『イヴの時間』は日本を代表すべき作品」と絶賛。ニコニコ動画のようなネットサービスと連携して人気を博してきたことについて、「IT系サービスとリンクして育っている。今、デジタルコンテンツはコピーされて終わりみたいなことが多くなってきたが、その中で『イヴの時間』のように周りを巻き込んでいくというのはすごく大事」と語り、これに吉浦監督は「(ファンと)相互に育て合いながら長く愛されているなと。リアルのイベントと関わるのがポイント。こうやって場を作れるのが嬉しいし、それが作品の寿命の長さにつながる」と作品のロングヒットについての見解を述べた。こうしたトークショー中にも、スクリーンにはユーザーからのコメントが殺到。それを見た吉浦監督が「ニコニコ動画(β)から見ているヘビーユーザーです。こうやって関われるとは」と喜びを口にすると、水市氏も「コメントがこんな大画面で見えるなんて。目で追えるか心配だったけど意外と目に優しい」と感想を述べ、その後もしばらくの間、登壇者と視聴者とのコミュニケーションが図られていた。

21時からは、いよいよ「イヴの時間 劇場版」が上映。同時に、ニコニコ動画サイトでも生放送され、映画館のスクリーンには、インターネットにおける生放送視聴者、劇場観覧者と、さらには、監督の吉浦氏、MCの水市氏によるシーンの解説や制作秘話などのコメントが流れるという世界初の試みが達成された。館内では、PCのタイプをたたく音や、液晶の灯りなど、これまでにない風景が展開され、スクリーンには作品の秀逸さに感嘆する声や、感動で涙する声、また「この業界を諦めたことを後悔する」などといった動画の完成度の高さを物語る感想が反映され、同じ時間に同じ作品を観て、互いの思いをシェアする場が提供されたかたち。ネット配信視聴者、映画館の観客および監督の三者が作品を通してコミュニケーションを図るという面でも、世界初の映画上映イベントとなった。来場者数(ネット配信含む)は、約65,000人、コメント数約51,000件を記録。

株式会社ドワンゴは、今回の試みを得て、「“新しい映画の楽しみ方”について模索し検討した結果、アスミック・エース エンタテインメント株式会社、ユナイテッド・シネマ株式会社、有限会社ディレクションズ、吉浦康裕監督の協力のもと、映画「イヴの時間 劇場版」を使った、ネットとリアルが融合した新感覚の映画鑑賞スタイルを実現しました。次回の開催は未定ですが、引き続きリアルとバーチャルを融合させた新たなエンターテイメントを提案していければと思っています」と話している。今後も異業界とのコラボレーションが期待される。

(2012年2月25日(土)小松静)