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きかんしゃトーマス 売場づくりコンテスト2012を開催

テレビ放送開始と新作映画公開に連動

きかんしゃトーマス 売場づくりコンテスト2012を開催

ソニー・クリエイティブプロダクツの古川愛一郎代表取締役(左)とカワダの頃安哲雄代表取締役社長

未就学児童とその保護者から良質なキャラクターとして圧倒的な支持を受けているきかんしゃトーマス。その人気を反映し、ライセンシーの数は国内だけで100社以上を数える。さらに、この4月8日(日)からテレビ放送(NHK Eテレ、毎週日曜7時~7時20分)がスタート、続く4月28日(土)から新作長編映画「きかんしゃトーマス ディーゼル10(テン)の逆襲」がロードショー公開され、新規ファンが拡大するのは確実。年間約250億円(2011年)の市場規模がいっそう膨れ上がる勢いだ。

これとタイミングを同じくて開催されるイベントが、全国のトーマス商品販売店を対象に開催される「きかんしゃトーマス売場づくりコンテスト2012」。きかんしゃトーマスの日本国内のマスターライセンス保有社である株式会社ソニー・クリエイティブプロダクツ(千代田区)と玩具メーカー・卸としてトーマスグッズを販売する株式会社カワダ(新宿区)が協力して開催するこのコンテストは春季プロモーションに絡めた恒例イベント。しかし、この過去最大のメディア露出は売上アップの絶好の機会とあって、これまで以上に積極的な売場展開が注目される。

3月7日(日)のカワダの春季展示会会場で行われた記者発表会で、同社の頃安哲雄代表取締役社長は、「(テレビ放送と映画公開を受けて)今年の『売場作りコンテスト』は非常に盛り上がり、販売にも結び付くのでは」と期待を込めた。また、ソニー・クリエイティブプロダクツの古川愛一郎代表取締役は、「放送環境が整ったということはビジネスの上でも素晴らしいこと。お客様が直接コンテンツに触れられるのは映像と売場を通してであって、売場を見ることできかんしゃトーマスの商品やキャラクターを再認識してもらえる」と売場の意義を語った。

売場づくり期間は、ターゲット層である児童やファミリーが動く入園シーズンやGWと合わせ、3月24日(土)から5月13日(日)まで。“来店して楽しい、買って嬉しい”仕掛けをほどこし、吸引力を高めていく。まず、売場づくりの装飾品として、エントリーした店舗にテレビ放映告知用の店頭POP、トップボードと棚帯、映画のプロモーション映像DVDなどを提供して世界観を演出。カワダの木製レールシリーズを3尺什器1本展開した店舗には、集客効果が高いプレイテーブルも用意する。アイキャッチには3尺什器にも取り付け可能な大型タペストリを制作し、来店者のフォトスポットとしても利用してもらう。さらに、売場づくりと合わせ、昨年好評だった“マストバイキャンペーン”を映画と連動させた形で実施。新作映画の絵柄のミニパズル1万個を用意し、期間中、対象店舗でトーマス商品1,000円以上を購入した人に割引券とセットでプレゼントする。

マスターライセンシーのソニー・クリエイティブプロダクツとメーカー・卸のカワダが実施するコンテストだけに、展開する商品が多彩なのも特徴だ。カワダオリジナルの木製レールシリーズをはじめ、トイだけでなく、新入園や行楽に使えるアイテムを含めて絵本や雑貨など幅広いライセンス商品を盛り込む。カワダが推奨する棚割は3パターンあり、参加店舗は規模に応じた展開が可能。また、こうしたグッズに新作映画関連商品を続々と投入する一方、全国100館以上の上映館でもきかんしゃトーマスグッズを販売し、相乗効果を狙う。

ソニー・クリエイティブプロダクツ コンテンツ事業本部 コンテンツマーケティング部チーフの西岡敦史氏(以下同)は「メディアへの露出が高まる前に売場を作っていただき、売場からテレビ・映画へ、テレビ・映画から売場へといった動きを促すようにしたい」と話す。審査基準は「オリジナリティ溢れる、愛ある売場演出」と「充実した品揃え」。結果発表は6月14日(木)、「東京おもちゃショー2012」初日のカワダブース内で行われる。

百貨店や専門店を中心に150店舗参加が目標

きかんしゃトーマス 売場づくりコンテスト2012を開催

アイキャッチとして提供する大型タペストリ

テレビ放送と映画公開に合わせ、今年度、ソニー・クリエイティブプロダクツが展開するプロモーションは、テレビ特番、幼児向け雑誌、書籍・DVD、WEB・モバイル、各種イベントなど、多岐に渡る。児童・ファミリー層の取り込みを図る企業とコラボレーションし、セットメニューのオリジナルノベルティ、缶コーヒーベタ付景品などの企業キャンペーンも予定している。しかし、そんな中でも、販売の最前線である売場に焦点を当てた同コンテストは同社がとりわけ注力するプロモーションだ。「お客様が足を運んで商品を購入するのは結局は売場。近くの玩具屋にしっかりした売場がある、という仕掛けを作りたい」

いわば、地域戦略のひとつであるため、参加店舗はチェーン店より、地域の専門店や百貨店が多いのが本コンテストの特徴。「本部との商談で売場の全国展開が可能なチェーン店と違い、百貨店や専門店はそれらを束ねられる本部に相当するものがない。そこで、百貨店や専門店に強いカワダさんと組み、チェーン店と同様の売場を作りたいと考えたのが始まりで、そこから(参加店舗を)積み上げていった」。カワダは国内主要メーカーの商品取扱量は国内トップクラスという玩具総合商社。量販店から百貨店・専門店まで幅広い流通網を持ち、商品だけでなく、売場づくりやイベントの提案にも力を入れている。2社は2007年からきかんしゃトーマスのオフィシャルショップ「トーマス ステーション」の全国展開でも協力しており、コンテストの提携相手としてもベストパートナーだった。

コストをそれほどかけずに集客が見込める売場づくりは、販売店にとっては取り組みやすいプロモーション。ましてや2社のサポートが得られるコンテストへの参加意欲は高く、2回目となる前年は東日本大震災の直後にもかかわらず、前年を上回る108店舗が参加した。今年はテレビ放送と映画公開を追い風に150店舗の参加が目標だ。「全国どこでも見られるNHK放送での番組開始は、地域の販売店がトーマスコーナーを作ろうという動機付けになる。映画もあり、これまでで一番、参加店舗数への期待値が高い」。テレビ・映画という巨大メディアでの露出でさらにメジャー感を増したキャラクターのグッズを扱うことは、販売店としても大きなイメージアップ。何より、購買意欲にあふれた客を逃さずキャッチできれば、大幅な売上アップも期待できるとあって、今年のコンテストは参加店舗数・内容ともに格段にパワーアップしそうだ。

(2012年3月7日(水) 安江めぐみ)