日本イベントプロデュース協会関東本部事業部主催の「JEPCビジネスサロン」は同協会の会員の事業を紹介し会員間の交流を深めることを目的とした交流会。第2回となる今回は、オープンを2日後に控えた渋谷の新拠点「渋谷ヒカリエ(以下、ヒカリエ)」の概要を紹介するまさに“旬”な内容となった。講師に同施設の開発プロデュースに携わる(株)東急エージェンシー クロスメディアソリューション局 局長の林令一郎氏を迎え、前半は主に最近の広告・プロモーションの主流となっている「クロスメディア」の手法について、後半はヒカリエの概要・全体像と、内部スペースの特徴についてのプレゼンテーションを行なった。
林氏はこれまで22年にわたり、プロモーションやイベント一筋で海外万博や大型商品の販促などに携わってきた人物。ペプシマンのキャンペーンを成功させ、一時はコーラの国内シェアを9(コカコーラ):1(ペプシ)から4:6に逆転させた影の立役者でもある。林氏によると、近年のメディアと消費者を取り巻く変化のおかげで、単純なプロモーションではものが売れない時代になっている。そこで注目すべきなのが「店頭メディア」「OOH(交通広告)」「クチコミ」などの重要性と、それらやイベントを含む複数メディアの掛け算からなる「クロスメディア」の手法だ。
それを踏まえて今回オープンするヒカリエを見ると、「東急文化会館のDNAを引継いだ文化発信基地」「渋谷の街の再開発のスタート地点」という表向きの位置づけはもちろん、「単なるショッピング施設ではなく、生活者の生活の中心に置いてもらえる施設を目指す(林氏)」という点において、クロスメディアに特化した、まさに巨大なメディアの複合体としての側面を持っているとも言える。
大きく、オフィス、劇場、イベントホール、クリエイティブスペース、飲食フロア、百貨店からなるヒカリエだが、それ以外にも様々なイベントスペース、そして広告スペースが用意されている。今回紹介があったのは、3F、4F、8F、11F、そしてB3にある広場やサイネージなどのほか、駅と直結する跨道橋や円形の吹き抜け空間「アーバンコア」に設置されたLEDイルミネーションなど。これら広告やイベントスペースについて、詳細や料金等は追々発表となり、実際に販売が開始されるのはこの6月以降とのことだったが、「全体的にかなり使いやすく、また渋谷の街との連動もしやすい仕組みとなっている」(林氏)とか。まずはその実力と人の流れの変化を目にするべく、ぜひとも話題の新施設「渋谷ヒカリエ」に足を運んでみたいところだ。ちなみにこの日のサロンも座席がいっぱいになる盛況ぶり。業界からの注目の高さが伺えた。
(2012年4月25日(水)大塚泰子)
JEPC 第2回ビジネスサロン「渋谷地区再開発の中心となる複合ビル“ヒカリエ”の概要」
主催:一般社団法人日本イベントプロデュース協会関東本部事業部
講師:株式会社東急エージェンシー クロスメディアソリューション局 局長 林令一郎氏
開催日時:2012年4月24日(火)18:30~20:00
会場:株式会社東急エージェンシー本社会議室
参加費:JEPC会員1,000円、一般1,500円
参加者:40名
関連リンク
渋谷ヒカリエ http://www.hikarie.jp/
株式会社東急エージェンシー http://www.tokyu-agc.co.jp/
一般社団法人日本イベントプロデュース協会 http://www.jepc.com/