日経リサーチが先日、小売業や飲食業等の店舗・施設の魅力度を評価する2012年「ストア戦略サーベイ」を実施し、その結果を公表しました。この調査は、小売業、飲食業など20業種について、売上高や出店数、知名度などをもとに349のストアブランドを選び、これを30組に分け、登録モニターに無作為で1組ずつ割り当て、インターネットを利用して今年1月に実施。全国の16歳以上の男女2万7808人から回答を得ました。調査結果では、「行ってみたい（来店意向）」など4つの評価項目から算出した指標「場力（ばぢから）PQ」は前年2位だった「スターバックスコーヒー」が首位を獲得。「東急ハンズ」「ユニクロ」、そして前年1位の「モスバーガー」が僅差で続く、という結果となりました。スターバックスは4項目すべて7位以内。「他の人に勧めたいと思う（推奨意向）」と回答した割合が50.3％で3位、「そこで過ごす時間が特別だと思う（時間消費プレミアム）」は43.3％で4位でした。また、昨年度の調査から大きくランクアップしたのは、スウェーデンが本拠の家具専門店「IKEA」が前年31位から9位に。前年19位の高級アイスクリーム「ハーゲンダッツショップ」が5位に浮上。ともに時間消費プレミアムの評価が高く、調査を実施した日経リサーチでは「ほっとしたり、家族と過ごしたりといった東日本大震災後の時間を大切にする傾向が表れた」とみています。
（2012年03月14日日経ＭＪ・流通新聞記事より）
さて、日経リサーチ「ストア戦略サーベイ」で前年3位から大きく8位に後退したのが「無印良品」です。同じファッションを扱う「ユニクロ」が場力PQの評価項目で品ぞろえや清潔さなど「売り場作り（ハード）」のほか、「利便性」「接客サービス」「プロモーション活動」で首位になったのと比べ、消費者サイドから見て大きく差を開けられてしまいました。そんな「無印良品」が6月にとても面白いキャンペーンを展開しました。
キャンペーンタイトルは、「ぜんぶ、無印良品で暮らそう。」～2年無料で「無印良品の家（家具付き）に住む人募集、です。キャンペーン概要は、6月15日から25日までのキャンペーン期間中にFacebookやTwitterからキャンペーンに応募。抽選で1組を選出し、実際に「無印良品の家」で体験モニターとして2年間暮らしてもらう、という内容です。家具やファブリックなど、無印良品の全商品から生活に必要なもの全てを用意する、という大サービス（特典）付きです。
このキャンペーンは、「無印良品」が約7,500のアイテムで「感じ良いくらし」をリーズナブルに提案する「生活美学の専門店」をめざしている。その１つに「家」があり、「無印良品」はくらしを追求するために、“家”までつくってしまうブランドであること。そして、「無印良品」の提供する「感じ良いくらし」を1人でも多くの人々に知ってもらいたいために、この「ぜんぶ、無印良品で暮らそう。」キャンペーンを開催したのです。なお、参加条件は、JR中央線三鷹駅近くにある「無印良品の家 木の家」（家具付）に2013年1月頃から入居可能で、2年間実際に住むことができる人。そして、2年間のモニター期間中、レポーターとして撮影、見学会、モニターレポート等、良品計画およびムジ・ネット（株）の企業活動に協力できる方、となっています。キャンペーン期間中、無印良品有楽町、丸井吉祥寺店無印良品にて巨大AR パネルを設置し、店頭でアプリを使い、無印良品の家を体験することが可能。アプリからは、内部の様子がリアルにわかる「バーチャルツアー」も連携して見ることができ、どんな家に住めるのか、実際の家の様子を疑似体験することができる仕掛けも用意していました。
(「ストア戦略サーベイ」上位ブランドのキャンペーン情報）
■スターバックス「Share 15 minutesキャンペーン」
5月の下旬から6月18日までのキャンペーン。キャンペーン期間中、Facebookの特設キャンペーンページを通じて友人等にメッセージを送ると、メッセージの送受信者を対象に抽選で計6万名様に全国のコンビニエンスストアで「シアトル［ラテ］」もしくは「ミラノ［エスプレッソ］」1本と交換できる無料引換券を2枚プレゼント！
■ユニクロ「新サラファイン/新シルキードライ 10万人トライアルキャンペーン」
ウェブから応募して当選された方に、「新サラファイン/新シルキードライ引換券」をプレゼント。また、Facebookアカウントでログインしての応募も可能。 Facebookで当選した方が、プレゼントされた商品を試着後に「コメント投稿ページ」から感想やコメントを投稿すると、Facebook上の友達1名にも「新サラファイン/新シルキードライ引換券」をプレゼント！
(2012/06/18)
