ここ数年、フランス・パリでは和食店に行列ができるほど空前の日本食ブームになっている。
きっかけはフランスでの日本の漫画・アニメの大流行といわれており、ラーメン、おにぎり、お弁当など、作品に描かれている料理から興味を惹かれ、実際に食べてみたい人が急増。そして、徐々にジャパニーズB級グルメが人気になってきた。
中でも”弁当”は、多種類のおかずが入っているため、見た目も美しく味も豊富で、美食の国フランス人の心に響いたのだろう。今では昼食に持参する人が増え、”BENTO”として親しまれている。
そんな日本食ブームのパリでは今、日本食に関するイベントが数多く行われており、いずれも大盛況。今回はその一部をご紹介。
JR東日本、パリで駅弁販売
JR東日本は2月5日、パリ市内にあるフランス国鉄の駅”パリ・リヨン駅”に店舗を構え、日本の駅弁を3月から販売すると発表した。
期間は4月末までの2カ月間。子会社の日本レストランエンタプライズ(東京)が持つノウハウを生かし、最近人気が高まっている日本の食文化である駅弁をフランスで広めるのが狙い。JR東日本が海外で本格的な店舗を構えて日本の駅弁を売るのは初めて。
2カ月間の販売状況を踏まえ、販売先をほかの駅にも広げたい考えだ。営業時間は原則として午前8時から午後7時半まで。ラインナップは5種類で、おにぎり弁当や助六弁当、幕の内弁当などを8~15ユーロ(1040~1950円程度)で販売する。
※詳細はこちら
https://www.jreast.co.jp/press/2015/20151008.pdf
パリで日本の食材や酒をPRする常設展示場オープン、商談会も実施
2月9日、日本各地の優れた食材や酒をパリの人々にPRする常設展示場「メゾン・デュ・サケ」がオープンした。商品の試食・販売や、現地のレストランへの売り込みを通じ、日本の郷土食の魅力を発信する。
店舗は人材派遣大手パソナの子会社が運営。開店に合わせて日本貿易振興機構(ジェトロ)などと開いた企画展では、独力での海外進出が難しい地方の小規模事業者の支援を目指し、岩手県産のしょうゆや愛知県産のみそなど12府県の36品目を紹介した。
また、本日15日は「日本産農水産物・食品輸出商談会 in パリ」と題した、日本産農林水産物・食品をフランス市場に伝える商談会が実施されている。内容は、現地バイヤー/シェフ等との商談のほか、フランスで活躍する日本人シェフが商談会場併設レストランでデモストレーション&試食会も実施。
以上のように、パリでは日本食への興味・関心が高まっており、まだまだその人気は衰えるところを知らない。日本人にとってのイタリアンや中華、ハンバーガーなどの欧米食のように、パリだけではなく世界中の人々に日本食が日常的に食されるようになれば、日本文化への興味を更に仰ぎ、インバウンド効果を高めていくことであろう。
日本食は外国人へ確実に需要があるので、これをテーマとしたイベントをパリだけではなく、世界各国で、あるいはオリンピックなどのタイミングで日本でも仕掛けていけそうだ。