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日・アルゼンチン首脳会談実施:今後の文化交流に期待

4月1日(金)、第4回核セキュリティ・サミット出席のためワシントン滞在中の安倍総理大臣は,マクリ(H.E. Mr. Mauricio Macri)アルゼンチン大統領と会談した。二国間の政治関係・経済関係・国際場裡における協力をより強化していくことで合意した。
※詳細は外務省HP

日・アルゼンチン首脳会談実施:今後の文化交流に期待

© Ministry of Foreign Affairs of Japan

アルゼンチンといえば、ブラジルと同じくサッカーの強豪な南米の国というイメージが強い。
また、移民の国であり、しかもその定住が本格的に進んでから100余年しか経ていないことから、その文化には、植民地期のスペインの文化と移民のイタリア、フランスなどの文化の影響が強い。

コロン劇場が世界三大オペラ劇場の一つとして知られるように、またブエノス・アイレスが「南アメリカのパリ」とよばれるように、アルゼンチンはラテンアメリカにおいて最もヨーロッパ的な文化を持つ国であるとされている。

我が国とは、1898年(明治31)調印の修好通商条約以来、友好的関係が続き、日本からの移住も1907年(明治40)以来行われており、戦前には5400人が移住し、戦後も国際協力事業団を通じての移住や呼び寄せ移住が行われていた。日系人、在留邦人数は約3万人に達するという。

参考:ジェトロ(日本貿易振興機構)

そんな、友好関係を築いてきた二国間だが、まだまだお互いの国の文化について知る機会が少ない印象を受ける。
例えば、現在日本で行われているアルゼンチン関連のイベントといえば、ほとんどがアルゼンチンタンゴやミロンガ(ブラジル南部の音楽のジャンル)に関するものが多い。他には世界5位の生産量を誇るワイン大国であるため「アルゼンチンワインサミット・イン・ジャパン」やアルゼンチン、パラグアイ、ブラジルの3カ国だけでのみ生育するマテ茶のイベント「アルパ&マテ茶フェスティバル」などが行われているが、まだまだ知名度が低いように思われる。

参考:タンゴオリジンスタジオ東京
参考:(一社)日本ソムリエ協会
参考:日本マテ茶協会

アルゼンチンの国内行事をみてみると、ダンスや歌といった音楽に関するイベントの他、9月にアニマ(アニメの祭典)、同じく9月にコミコポリス(国際まんがフェス)、11月にライス (食の祭典)など、まだまだ魅力的な催しが多い。

アニメやマンガに対する国民の関心が高いアルゼンチンならば、「クールジャパン」で世界から注目を浴びる我が国との合同イベントも容易いことであろう。また、アルゼンチン料理はヨーロッパ風(主にスペイン)のものに現地先住民の料理が混ざり現地の素材をつかって作られるものであり、アサード (炭火で焼いた牛肉)や、エンパナーダ(主に肉や野菜が入った半円形のパイ)など日本人にとっても受け入れやすいことだろう。

今回の日本・アルゼンチン首脳会談をきっかけに、二国間の更なる文化交流が期待される中、今後その助長となるようなイベントは需要が出てくることだろう。

■関連団体
在日アルゼンチン共和国大使館
(一社)日本アルゼンチン協会