イオングループでは、今年の11月25日(金)~27日(日)の3日間イオングループの約2万5千店舗で大型セールの「ブラックフライデー」を予定している。
ブラックフライデーとは、アメリカ合衆国での感謝祭(11月第4木曜日)翌日の金曜日のことで、国民が一年で最も買い物をする“クリスマス商戦”開始の日のことである。
感謝祭とはイギリスからアメリカ大陸に移住したピルグリムファーザースの最初の収穫を記念する行事である。ピルグリムが移住した1620年の冬は気候が厳しく大勢の死者を出したが、翌年、近隣に住むインディアンから作物の栽培知識を教授され生き延びることができた。1621年の秋は得に収穫が多かったのでピルグリムファーザースはインディアンを招いて、神の恵みに感謝してご馳走を共にしたことがはじまりであるが、現代では宗教的な意味合いは薄れ、たくさんの友人や親族が集まっての食事会として家族行事のひとつとなっている。
ブラックフライデーという言葉の由来は1961年ごろからフィラデルフィアで始まった言葉で、当日は買い物客で道路が混むのでフィラデルフィアの警察官が名づけたとされている。
後にフィラデルフィアの新聞が「小売業が黒字になるというので」という解釈を発表してからは、ブラックフライデーは良い意味として使われるようになった。
アメリカの多くの州は感謝祭の翌日の金曜日を祝日とすることが多く、あとの土日と合わせて4連休となり感謝祭連休として定着している。
感謝祭が過ぎるとクリスマスまでひと月となり、クリスマスプレゼントの購入に向けて消費が動くことから、小売業は感謝祭連休をクリスマス商戦の前哨戦と位置づけ金曜日からセールを行う。
通説では、感謝祭からクリスマスまでのひと月は、小売業の年間売り上げの半分がこの時期に集中すると言われている。
日本でもこの時期はお歳暮商戦、クリスマス商戦、年末商戦にあたり一年間でもっとも消費が動く時期である。お歳暮商戦は予約等が多いことから11月から始まるが、近年ではお歳暮の習慣が弱まり市場規模は縮小している。年末商戦が本格化するのは公務員や一般企業でボーナスが支給される12月10日以降であるので、11月後半から12月初旬までの時期の購買喚起策として日本でもブラックフライデーを謳うケースも出てきている。国内の小売業において、ブラックフライデーに取り組む動きが出始めており、2014年には玩具小売の日本トイザらスがセールを開始し、今年は11月25日(金)~27日(日)にセールを行う予定である。
日本では既に1年を通じてバレンタイン、母の日、父の日、クリスマス、そしてハロウインなど既に消費喚起のイベントやセールは存在するが、消費者の消費拡大施策に躍起になる小売業界にとって、ブラックフライデーは新しい消費喚起イベントになり得る可能性はあり、国内で有数の店舗数を誇るイオングループがセールを開始することで日本でもブラックフライデーが定着する可能性が出てきたかもしれない。
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