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第21回国際ミーティング・エキスポ(IME2011)

第21回国際ミーティング・エキスポ(IME2011)

中央通路には被災地を含めた東北地区コンベンション推進協議会の9団体が出展

観光庁、一般社団法人日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)、日本政府観光局(JNTO)が主催する「第21回国際ミーティング・エキスポ(IME2011)」が、12月14日(水)~15日(木)、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催された。IMEは、MICE事業の推進を目的とした日本で唯一の総合コンベンションイベントで、全国から集まったコンベンション関係の団体・企業が出展し、商談会、展示会、セミナーなどを行う。今年は東日本大震災の影響が危惧されていたが、海外を含めて新たに22団体・企業を加えた全105小間が出展し、活況を呈した。

「東日本大震災からの復興をめざして」がテーマの今大会。開幕式に出席した観光庁長官の溝畑宏氏は、「(震災後)世界建築会議など、MICEが行われたことが世界へ対する安心・安全の対策に大きく貢献した。MICEは日本の持っている運営能力・アクセス・ホスピタリティ・様々なノウハウを活かせる、日本らしい力を発揮できる分野。ぜひ、“MICEで日本を元気にする”という思いを共有しましょう」とあいさつ。また、IME2011実行委員会名誉会長・JCCB会長の猪口邦子氏は、「(世界へ向け)元気な日本を見て下さい、と発信してきた。来年以降、さらに沢山の会議が日本で開かれ、若い人材も含め、国際会議の支えをする様々な能力がこの国に高まっていくことを確信しております」と述べた。続いて、溝畑氏、猪口氏、JNTO理事長の松山良一氏、IME2011実行委員会委員長の渡田春男氏の4名のテープカットで開幕した。

毎年、各小間で地域の特色が存分に発揮されるこのIME。今年は東日本大震災という逆境に負けない誘致を図ろうと、PR方法にいっそうの工夫を凝らした小間が目立った。商談も活発で、そこかしこで名刺交換や情報交換が行われていた。

会場入り口正面の中央通路の両側には、被災地を含めた東北地区コンベンション推進協議会の9団体・企業が出展。各地域が大震災からの復興を力強くPRした。郡山コンベンションビューローの担当者は、「市内の多くの施設が被災しましたが、今では復旧へ向けて動いています。来年に向けて多くのコンベンションを誘致したい」と話す。同市には展示・会議・レセプションの3つの機能を備えた大型複合コンベンション施設「ビッグパレットふくしま」があり、国際会議誘致の要として期待がかかる。

また、静岡県東部地域コンベンションビューローの小間では、同地域初の複合コンベンション施設「東部コンベンションセンター」(展示イベント施設は平成25年夏、会議場施設は平成26年夏オープン)の完成図をパネル展示。同施設は目の前に富士山を臨み、伊豆・箱根の温泉街にも近いという好立地なだけに、担当者は「観光とセットにして売り込みたい」と意気込む。

14日はJNTOによる「平成23年度 国際会議誘致・開催貢献賞」受賞式が行われ、国際会議誘致の部で「第8回自然言語処理国際会議日本大会(金沢市)」「第19回国際細胞学会議(横浜市)」「第43回錯体化学国際会議(仙台市)」の3件、国際会議開催の部で「第9回国際計算機情報科学会(上山市)」「第3回UNI世界大会(長崎市)」「世界分子イメージング会議2010(京都市)」「ワイズメンズクラブ国際協会第69回国際大会(横浜市)」の4件が受賞。その後、受賞した3会議の代表を迎え、「郷土色を生かした国際会議誘致・開催にむけて」をテーマに、パネルディスカッションも行われた。

15日は「東日本大震災からの復興をめざして」をテーマに、特別セミナーを開催。「震災により開催が揺れた国際会議の取り組み事例 IUMS2011国際微生物学連合2011会議(札幌市)」など、大震災の体験に基づく4つの提言がなされた。

地域の国際化・活性化など、大きな経済波及効果が見込まれるMICEだが、開催・誘致を巡る国際競争は熾烈化している。そんな中での東日本大震災発生により、日本のMICE事業は大きな打撃を受けた。その一方で、訪日外客数の前年比は、震災直後はマイナス約70%であったのが、10月はマイナス約15%まで縮小。日本の安全・安心イメージは着実に回復しつつある。来年はWTTC(世界旅行ツーリズム協議会グローバルサミット/仙台市)、国際大ダム会議年次例会・大会(京都市)などの日本開催も決定しており、MICE事業を推進する政府・関係者にとっては、こうした大型会議をいっそうのイメージ回復につなげ、MICEの誘致・開催へ弾みをつけたいところだ。

(2011年12月14日(水) 安江めぐみ)

問い合わせ先:一般社団法人日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)
TEL/03-3212-1371 URL/http://www.jccb.or.jp/