HOME >  業界ニュース >  ビジネスチャンスが広がる「ふるさと祭り東京2012―日本のまつり・故郷の味―」
業界ニュース

ビジネスチャンスが広がる「ふるさと祭り東京2012―日本のまつり・故郷の味―」

ビジネスチャンスが広がる「ふるさと祭り東京2012―日本のまつり・故郷の味―」

平日も多くの人出でにぎわい、9日間で38万人の来場者を集めた

人気コンテンツがさらに充実し38万人を動員

日本全国の味と祭りが一堂に集結する東京ドームの人気イベント「ふるさと祭り東京2012―日本のまつり・故郷の味―」。4回目となる今年は、1月7日(土)~15日(日)にかけて、「がんばろう!日本」「がんばろう!東北」を合言葉に開催され、9日間で約38人の来場者でにぎわった。

人気コンテンツを揃える「ふるさと祭り東京」だが、今年はさらにパワーアップした印象だ。現地の祭をそのまま再現した「お祭りひろば」には、初登場の「弘前ねぷたまつり」「仙台すずめ踊り」をはじめ、“東北三大祭り”(「青森ねぶた祭」「秋田竿燈まつり」「仙台七夕まつり」)など、昨年の8つを大幅に上回る14の祭が登場。祭の開催時刻になると、お祭り広場の周囲を立ち見客が取り囲み、広場側の観覧席は祭りを見ようという客で埋め尽くされた。

話題のB級グルメや名物など、約300ブースが集まった「食」のエリアも大盛況。今年は東北大震災の影響が危惧されたが、「東北の元気な姿を見てもらう」というスタンスで出展者を募り、被災地からも例年通りの企業・団体数が集まった。特ににぎわったのが、目玉企画の「全国ご当地どんぶり選手権」のエリア。今年は初の試みとして10月に予選会を開催し、これを勝ち抜いた9どんぶりとシードどんぶり5、主催者推薦どんぶり2の計16どんぶりが出展。周囲には昼前から、チケットを買い求める客の長い行列ができ、人気店の前は身動きがとれないほど。また、人気店・有名パティシエが参加するスイーツエリアは、「お取り寄せ“すらできない”スイーツストリート」として規模を約2倍に拡大。全店舗が「ふるさと祭り東京」のために新開発した限定商品を人気商品と並べて販売し、スイーツファンを中心に注目を集めた。

「異なる地域の企業・団体の交流の場」として機能

昨年に引き続いて38万人を動員した「ふるさと祭り東京」へは、来場者ばかりか、出展者の視線も熱い。地域活性化につなげたい自治体を中心に、出展の問い合わせが年々増えている。「全国ご当地どんぶり選手権」で予選会を開催したのも、出場申込みが増加したことへの対応策だ。「『ふるさと祭り東京』をきっかけに知名度が飛躍的にアップした商品もあり、出展する企業・団体様にその意義が高いと感じていただけるようになってきました」と、東京ドームの西村良太氏(宣伝広告部、以下同)。「限定品や新商品を試すよい機会にもなるのでは」と推測する。

また、「ふるさと祭り東京」は出展者が競争するだけの場ではない。「出展者間の横のつながりも生まれ、例えば、『どんぶり選手権』なら、他がどんなどんぶりを出しているかや、会場でのいろいろな対応をどうしているかなど、情報交換をしている場面が見受けられます。東北物産展や九州物産展など、地域でまとまって出展する場というのはよくありますが、『ふるさと祭り東京』は全国から集まっていただくので、異なる地域の企業・団体の交流につながっているのだと思います」

全国の出展者にコンタクトが取れるメリット

東京ドームは90年代、地域物産展を頻繁に開催していた。もともと、「ふるさと祭り東京」の立ち上げはオフシーズンのドームの有効利用を兼ね、当時のノウハウを生かしてデパート規模の物産展を開くことが大きな目的。こうした経緯から、物産展で培ったコネクションを生かし、初回からドームのスケールに見合った数の出展者を集めてきた。数だけでなく、出展の申込みが増加するにつれ、出展者のレベルも高くなっている。

数・質ともに優れた「ふるさと祭り東京」は、バイヤーにとって格好の見本市。会場で目当ての商品の売れ行きを確かめることもできる。事実、流通関係の企業からの要望が増えたことを受けて、東京ドームでは昨年、流通関連企業に宛ててDMを発送。無料で入場して出展者と自由に商談が進められるように便宜を図った。今年は昨年来場した企業に加え、公式ホームページで招待を告知し、問い合わせがあった企業へDMを送った。「企業にとってはひとつの会場で全国の出展者にコンタクトを取れるというメリットがあります。また、こうした取組みで、企業へ現地へ足を運んでもらう機会が増えるなど、出展者にとってのメリットも増えると判断しました」。

昨年に続いて2回目の出展という大分のから揚げ専門店は、「バイヤーが来るということは当然、意識しています。今年はイベント会社と百貨店に足を運んでいただきました」と顔をほころばす。大分県物産協会の担当者は、「まずは商品を知っていただくのが出展の一番の目的ですが、実際に数社の企業から問い合わせをいただいています」と手ごたえ十分の様子だ。

「ふるさと祭り東京」は、生まれ育ったふるさとを懐かしむとともに、全国の味を体験してもらおうというBtoCのイベント。西村氏は今後の展開について、「まずは足を運んでいただけるお客様によりストレスなく、より良い商品をお楽しみいただくのが第一」と、BtoCの目的を重視する。しかしその一方で、「当然、回を重ねるごとに企業からの要望が増えてくる」と予想する。東京ドームではここ数年、MICEの誘致に積極的だが、その専門セクションのほかにも、遊園地の団体利用などに対応するため、企業向けのセクションを抱える。「ふるさと祭り東京」におけるBtoBの役割についても、こうしたセクションが持つノウハウを活用していく方針だ。

「ふるさと祭り東京」はBtoCのビッグイベントがBtoBの側面を持つことを示す好事例。今後もこれをきっかけに、ビジネスチャンスを広げる企業・団体が増えるだろう。

(2012年1月12日(金) 安江めぐみ)

問い合わせ先:
ふるさと祭り東京PR事務局  TEL:03-3817-6031 FAX:03-3817-6182